床にコンクリートを打設し、平にならした後に抑える仕事です。工場や病院は床が命なので凹凸がないように押さえていきます。金鏝で押さえれば押さえるほど床の耐久性が高まります。コンクリートは時間との戦い。乾く前に丁寧にならし、乾くまで待ったり見極める経験値も大切です。
用途に合ったモルタルを床にムラなく流していきます。厚みにムラが出ないように定規を揺らしながら厚みを均等にしていきます。バルコニーや食品工場は排水溝に向けて勾配をつけ、モータースポーツはミリ単位で整えます。用途や図面に合わせる難しい仕事です。
コンクリートを1回打った後に流動性の高いモルタル(レベリング材)を流して、凹凸のない床をつくる工程です。水平にならす作業は人力で行うため、経験がものをいう難しい仕事。主に、工場や病院、コンビニなどの現場で、求められ、丁寧さや正確さが欠かせません。
用途に合ったモルタルを壁にムラなく塗っていく作業は集中力と根気が必要で職人としての腕の見せどころです。光が当たるとムラが目立つ上に、重力、温度、湿度など作業する上でもさまざまな要素があります。細部まで美しい壁を目指して作業を進めます。
エントランスや応接室、ギャラリーなど、人をもてなす空間で求められるのが珪藻土塗りです。刷毛の形をあえて見せたり、規則正しい模様を美しく見せたり、塗り方など職人の手仕事ならではの質の高さが左官仕上げの魅力です。メインに使う壁なので仕上げは技術が必要でやりがいがあります。
パネルで挟み、コンクリートを打ってつくる壁面をきれいに仕上げる工程です。大きなパネル同士を並べて壁にするので、どうしても波打ったり、段差が出ますが、サンダーで平らにした後に均一に補修をして、クロスやペンキがきれいに仕上がるようにします。
左官の会社へ入り、社長や先輩から仕事を教えてもらい技能を覚えて、一人前の職人となります。
新入社員として入社後は、先輩と一緒にさまざまな現場に入り、コンクリートやモルタルなどの素材について知り、道具や素地の特徴などを学びます。季節や天候によっても臨機応変に対応する力が求められる現場は数多くこなせばこなすほど経験値が高まります。オフィスビル、商業施設、工場、病院、学校など、場所の用途によっても求められる機能が違い、社会を知ることでわかってくることもたくさんあります。先輩社員の技を盗んで腕を磨いていきましょう。
ひと通り、基本的な工程を経験し、さまざまな素材や道具についての知識は身についている頃です。技を知っていてできる段階から、無駄なく手早く美しく行えるレベルを目指します。周りの職人の仕事振りを見ながら良いところを吸収して、自分の強みや得意分野を磨いて伸ばしつつ、後輩に教えることも増えてくるでしょう。丁寧さ、素早さ、手仕事の美しさなど、より腕の確かな職人を目指して、仲間と切磋琢磨しながら経験を重ねていきましょう。
見習い、技能工を経て、どんな現場でも安心してまかせられる職人になると、作業主任、つまり現場のリーダーとしてチームのお手本のような存在になります。職人として一流の腕を持っているのはもちろん、後輩に技を教え、困っている人はいないか、滞っている現場はないかなど、職人としてより広い視点を持ち、現場に関わっていきます。工事の進行や施主とやりとりを行う職長として、職人たちの間に立ち、現場をスムーズにまわしていくような役割も果たしていくでしょう。工期を把握し、現場で働く職人たちが働きやすい環境をつくることも大事な仕事です。時間や費用の管理をし、職人がハード過ぎるスケジュールになっていないか、逆に無駄が出ていないかなど、広い視野で確認しながら効率的に進めていくことが求められます。